和歌山が誇る伝統的工芸品『紀州漆器』。器の表面に滑らかさと極上の美をもたらす“漆塗り”の工程、代々受け継がれてきた製法を今に伝えています。
数ある技法の中でも特に“呂色塗り”の術に精通し、受け継いだ数々の技術を研鑽する中で、自らもまた新たな技法“瑞雲塗り”を生み出しました。
それらを始めとする多大なる功績により、平成25年には『和歌山県名匠表彰』を受賞。磨き抜かれた熟練の技と経験により、氏は今なお“本物の伝統”を守り続けています。
塗り部門
平成7年度
呂色塗仕上げ、研ぎ出して模様を作る根来塗、曙塗、瑞雲塗等の製作
研ぎ出し模様の根来塗、曙塗、瑞雲塗等の壷(花器)、椀、菓子器などの全て挽き物素地を使った塗り物。
第17回全国漆器展 日本経済新聞社賞
第19回全国漆器展 和歌山県知事賞
第33回全国漆器展 和歌山県知事賞
第37回全国漆器展 和歌山県知事賞
平成16年 経済産業大臣功労者表彰
平成19年 瑞宝単光章
平成25年 和歌山県名匠
平成25年 日本伝統工芸士会功労者表彰
義務教育を終えて、すぐに後を継ぐことに抵抗感は全然ありませんでした。今の仕事が好きです。工房には本物の漆の良さを知ってもらいたいと、1986年から県内外の小学生や海外からの見学者を受け入れています。
また県内行幸の折には献上品を製作、以前は大阪場所(相撲)に記念品を製作していました。
自然にある天然素材を使ったあたたかみのある製品作りをし、一生本物の伝統を守りぬく決意です。
作業工程 | 作品紹介 |
木地を3年以上かけて自然乾燥させる
錆漆で素地固めをする
中塗り漆を刷毛で全体に塗る
最上質の上漆塗りを、刷毛目や埃が付かないように刷毛で丁寧に塗る
蝋色炭で研ぎ出し、中の黒漆を模様にする
摺漆を布片などで薄く摺る作業を繰り返す