昔から地元で愛されてきた『紀州漆器』。そんな伝統的工芸品の伝統を守りつつ、斬新な発想で漆器の未来へと踏み込みます。
氏が素材として着目したのは“みかん”や“ひょうたん”など、和歌山の風土が育てたもの。それらを用いて漆器作りの技を振るい、和歌山の魅力に溢れた品々を創り出します。
親しみ深い地元の素材が、優美な伝統的工芸品へと姿を変える。『今を生きる人に新しい漆器を』――その想いを胸に、氏は今日も紀州漆器の可能性に挑み続けています。
加飾部門
平成18年度
桐タンス蒔絵、高蒔絵、平蒔絵など蒔絵全般
弁当箱、箸、器(盃・小鉢・小皿など)、その他
平成 3年 日展初入選
平成 5年 日工会展初入選
平成10年 日工会展日工会賞
平成17年 きのくに技能奨励賞
現在の生活の中で使い易く又、使ってみたいと思ってもらえる次の時代に残る物創りに取り組んでいます。
見るだけで漆屋はやしの作品とわかるオンリーワンの物創り、暮らしに息づく伝統美を毎日の生活の中で楽しめる作品に取り組んでいます。
伝統的工芸品にこだわりながらも新しい物創り
みかんの皮、ひょうたんなどを利用して、漆でぬりかためた器など天然素材にこだわり出来る限り地元の素地を使用することで、紀州のオリジナル商品(ひょうたん盃、みかん盃)を製作しています。
又、紀州桧のくりぬき弁当箱なども製作しています。
作業風景 | 作品紹介 |
塗り上がった漆器に絵や模様を描きこみます。同じ絵柄を大量に制作する場合は、紙に下絵を描いて転写します。
下絵を漆でなぞります。この漆は後に金粉などの色粉を蒔いたとき、漆器の表面に粉を付着させる接着剤としての役割を持ちます。
表面に塗った漆が乾かない内に色粉を蒔くことで、描きこんだ絵や模様が浮かび上がります。あとは湿度を高めに設定した専用の室に入れ、十分に乾燥させます。